「断続する線:ユリエ・クニファーと菅井汲」が4月10日(木)より寺田倉庫にて開催
この度、ギャラリー・フランク・エルバスと南天子画廊の共催により、二人の前衛抽象画家、ユリエ・クニファーと菅井汲の二人展を開催します。
1924年にクロアチアに生まれたクニファーは、60年代以降、ほぼ白と黒の色彩だけを用いて「ミアンダー」と呼ばれる蛇行する線からなるモチーフを生涯に渡って繰り返し描いた画家です。また、彼は、クロアチアの前衛芸術グループ「ゴルゴナ(Gorgona)」のメンバーとしても知られています。
1919年に生まれた菅井は、はじめ商業デザイナーとして活動し、その後パリに渡り画家としての活動を開始しました。クニファーと菅井は、1960年代から明快な色面と構成要素からなる幾何学的な抽象絵画の制作を開始しました。クニファーは、「ミアンダー」を、菅井は、自身のイニシャルでもある「S」字をモチーフとした、断続する線によって構成された抽象絵画を制作しました。単純化された要素と視覚的な強度の探究から生まれた彼らの絵画に描かれるこうしたモチーフはともに、道路や管状の機関などのインフラストラクチャーや、公共空間において機能する記号とも関わっています。それは、建築や都市計画などのメガストラクチャーと抽象絵画との共鳴を示すものでもありました。
この展覧会は、1960-70年代という前衛芸術の転換期において、ともに蛇行する通路や断続する線からなる絵画を展開した二人の画家の共振を明らかにします。クニファーと菅井の作品は、形態の政治学という観点から見たとき、きわめて重要な共通性をもっています。
クニファーの作品が日本で展示されるのは、日本では今回が初めてとなります。
また、展覧会に合わせて刊行される小冊子には、美術批評家の沢山遼が論考を寄稿し、両者の作品の共振関係を、連続性と切断、プロセスの可視化、視覚的強度という観点から再評価し、その現代的意義を問い直します。
【開催概要】
タイトル:断続する線:ユリエ・クニファーと菅井汲
会期:2025年4月10日(木)~4月29日(火)
開館時間:火~土 12:00〜18:00
会場:BONDED GALLERY(〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F)
入場料:無料
主催:ギャラリー・フランク・エルバス
協力:寺田倉庫株式会社
※4月25日(金)16:00~19:00には、美術批評家・沢山遼氏が在廊し、展示作品について解説します