本書は麻生三郎の個人画集として初めて刊行されたものである。
1934年の初期作品から1983年の最近作までを四期に分け各年代の代表作を網羅し、その時代への透徹した視線による"麻生レアリズム"50余年の軌跡を追う。
印刷復元が困難といわれる麻生作品の精妙な色調と展がる空間を、原色凸版が現在望み得る最高の技術で再現を可能にし、麻生芸術の全貌を解明できるよう編成したものである。
本文=麻生三郎の文、「絵画と人間」(1948年)、「百済とヘラ」(1964年)、「自然への問いかけ自然からの問いかけ」(1976年)、「これまでとこれからのこと」(1979年)の四篇を収録。
年譜<編・中島理寿>は可能な限り詳細なものとし、作品目録は出品展覧会などを明記した。