展示風景 (Photo: 今井幹雄)
それぞれの白い画面上に、同一の図柄が描かれている。つまり、一つの幹から左右3本づつ、6本の枝が分かれ、それぞれの枝にトマト、オレンジ、レモンの実がなっている。
そしてその図柄は赤-76個、黒-84個、黄-87個、オレンジ-112個、緑-262個、計621個の点により構成されている。
色の配置は、すべての作品において異なり、その図柄の半分だけに法則性が適応され、後の半分は作られるその場で任意に決定される。
その半分の分けられ方は、上下、左右の4通りのパターンを持つ。
つまり、その半分ではその実の固有の色──たとえば、トマトなら赤、レモンなら黄、となるが、別の半分では固有の色のみならず、他種の実の色が混入する。
作品から少し目を離せばその背景の白にかき消されて見えなくなる図柄......見ようとしなければ見えない作品である。